間違いだらけのテニス指導 <初級(初心者)・中級から上級テニスを目指すために> -100ページ目

ミスをさせることも決めるのと同じ

知り合いで決めるのが好きな人がいる。そりゃあ気持ちはわかる。それでコースを左右についていくという。どこに空きがないかって。それで思い通りにいけばいいが、それだけじゃあなかなか勝てない。相手もこちらのいやなところをついてくるし、守備もしてくるわけだから「空き」もそう簡単にはないのである。

それで発想を変えて「ミスをさせる=攻める」と考えよう。
足下でとらせたり、手のとどく範囲のスマッシュかハイボレーか判断しにくいボールを打たせてみたり。この方法だと少なくともアウトやネットでポイントを落とすことはないわけだ。コートを左右に使うだけでなく前後に使うのである。

究極はこちらがボールを打たなくてもポイントを稼ぐ方法だ。
リターンで前に出てプレッシャーをかけダブルフォールトを誘う。
サイドを大きくあけてストレートのパスを打たせてネットミスを誘う。
いずれも相手は「決めてやろう」とどこかに余計な力が入りバランスを崩すのである。

これらはミス待ちテニスではなく、ミスを誘う攻撃的かつリスクの少ないテニスなのである。

さて、相手のバランスを崩す方法は山ほどあると思うので考えてみましょう。


全ての始まりはスプリットステップ(いや、その前の小刻みステップ)

振り遅れたりすると
「早くテイクバックして」
などとアドバイスがある。

でも。
その前に重要なのがスプリットステップなのである。

TVでプロの試合前の練習を見る事があると思う。私たち誰もががここから吸収できることがスプリットステップだ。

実は「走るのが速い」と言われる人は走るのが速いのではなくスプリットステップができているのだ。

自分が打った後、小刻みに足をスキップさせ、相手がボールを打った瞬間にスプリットステップをする。スプリットステップをすることで体が次の準備に入れるのである。

さて、では相手がボールを打つ瞬間に意識してステップするのかというと実はそうじゃーない。その前に小刻みに両足でステップをふんでいると自然に相手がボールを打つ瞬間にスプリットステップをするようになるのだ。体が次に備えるためにそうするのである。いつまでも小刻みにステップしてるわけにはいかないから(笑)。

ベターッと足を地面にくっつけていて相手が打ったらその方向へ進む。この時点であなたはかなりの時間をロスする。いくら個別のショットが素晴らしくても、十分な準備ができずに、それを生かせないで終わってしまうのである。

日頃の練習で観察してみよう。試合に強い人は足を小刻みにステップさせているはずだ。

ちなみに。どうも今日は調子が悪い、といった時は概ね足が止まっているものだ。全ての潤滑は足なのである。

ラケットを持っていないほうの腕

これ大切です。

「はーい、左手をボールの方向に」「サービスでトスをあげたら、そのまま上にかざして」などなどアドバイスがあると思います。

これらの意味は体の軸を保ち、ラケット面を安定してボールにミートさせていくためのバランスなのです。
これを理解していれば、おのずと実践が伴ってくるはずです。

全てのショットで左手を意識してみましょう。ただし、体が覚えるまで意識しないとだめですが(笑)

ちなみに、結果としてフォームが格段とかっこ良くなります。

相手のラケット面を見る

ボレーボレーですが。

こちらに余裕があって、ここぞという時にはパシンと決めにかかればいいのですが。。。。
余裕がない時に下手に奇麗なボレーを打っても相手に逆に鋭く決められちゃうんですね。
ボレーボレーのスピードに自分たちがついていっていないのです。

こんな時は浮かないことだけを心がけ、スローペースで相手に返す。
それで相手が打つ時、相手の面をみるんです。右に打つとみせかけて左に打つ人はそうはいません。
ですから予測がたつのです。
この予測にのっとり次のボレーが見えてくる。スローペースにしていますからコースも見える。
ということでこちらの思うつぼの組み立てができるのです。

ちなみに相手のポーチへの対処なども相手の面を見ているとコースがわかります。
相手が力で決めようとかかっていればいるほど面は単純です。

予想どおりにボールが来てそれを思い通りに決めていく。性格が悪いですがちょっと爽快です。




すべての基本は腰だ

試しに実践してほしいです。
ストローク、ボレー、サービス。
これらを「腰を回す」という意識でやってみてください。
すると何が起こるか?
膝がまがり、肩が回り、バックスイングができ、体の軸が定まり、
などなど良いことずくめです。

「はい、ラケットを引いて」
「はい、体をまっすぐにして」
「はい、膝を曲げて」
これらの指導をのまま真面目にやると全体のバランスを崩す
か、身に付かないかのどちらかでしょう。

「はい、腰を回して」
これで上記のほとんどがほぼ解決します。



ロブを楽しもう

ロブを使う人は意外に少ない。いつも何故だろうと思う。
ロブというと「あの、ボワーンとあげるやつ」とイメージするのか?

ひとくちにいってもロブにはいろいろある。
球種でいけば。
フラット、スピン、アンダースピン(スライス)
使う場面では
攻撃的なもの、守備的なもの。

守備というと仕方なくあげるというイメージはないだろうか。
そんなことはない。
一挙に形勢を逆転できる場合が少なくない。
こちらのペアのフォーメーションが崩れた時、それを立て直す時間を
稼ぐために高くあげだりする。

相手が決めたと思ったボールをロブで返球する。これほど相手にとって
やなことはないだろう。

攻撃とは?
相手のサービスやストロークが弱く、かつ前衛がネットにかなり詰めている
場合。または相手がスマッシュが下手な場合。
こんな時はロブをあげれば楽々に勝つ。

ロブに関しては他にも沢山あるが、次回に書く。

ちなみに。
トップスピンロブが打てるようになったら鬼に金棒だ。
ネットの相手はどこにいればいいか不安になる。
かりにスマッシュやボレーできてもミスる確率が高い。何故なら日頃
トップスピンロブをスマッシュする練習なんてやらないからだ。
そういう意味ではアンダースピンのロブも効果的。

こうして考えていくと、スクールでロブをあげる練習をしなさすぎると
思う。

いろいろやってみよー

ボレーだけでももちろん奥が深い。

フラットに押していったり、アンダースピンをかけたり、サイドスピンをかけたり。ロブを上げたり。

サイドスピンで相手の打点を狂わしたりできる。

打点も前にしたり、体に近づけたり。
ともかく練習でなんでもやってみることだ。
やってみないとできるようにはならないから。
ドロップショットは手でやろうとすると失敗する。感じとしては普通に打っていくつもりでポジションをとり、最後にラケットの角度を変える感じである。膝なども使って。手でやろうとすると相手のボールの力をうまく吸収することができないのだ。

スクールでボレー対ストロークをやると思う。
基本は深くとか厚くだが、そういう基本の間にドロップをしたり、わざとホワンとしたボール(ロブボレーの練習になる)をかえしたりだ。
おすすめは、ファーストボレーでサービスラインよりも内側に低い弾道で勢いを殺したボレーを打つものだ。
ドロップボレーでもない。
相手は普通のボレーかと思って待ち受けたら、ぜんぜん自分のほうに来ないであっけにとられる。仮に取れても余程のテクニックがないと鋭いボールは返球できないのだ。





トップスピンはどう打つの?

この問いかけは多いと思う。
若い人は皆かけていると思うが、若い人もちょっと再考したほうがいいかもしれない。


強い選手はトップスピンのスピンの量とか、ネット上の高さとか、軌道を変更できる。
それでもってコントロールもできる。
伸び悩む人は、概ねかすれたあたりのスピンしか打てないし、コントロールも甘い。


さて、どこからをトップスピンというのか定かではないが。

通常は誰しもトップスピンのかかったボールを打っているはずだ。
少なくともストロークをコントロールするならば。
しかし、現実には打っている人が少ない。中級クラス以前の人に多い。
何故だろう?
テニススクールは一体何を教えているのか、非常に疑問なのである。
きちっと打てばスピンはかかるのだ。別に力やセンスが必要というものではない。
ところが、フラットだったり、アンダースピンになったりする人が多い。
しかも、自分の打っている球種がわからないという。

面がボールに対して垂直に下から上に向かってあたればいいのだ。
手首やひじをこねる必要はない。
まず、自然体でスピンがかかるかどうかだ。
丁寧にスイングすればスピンはかかるはずだ。
ところが練習の乱打とかを見ていても怠慢ばかり。良い打点のところに走らないし、
バックスイングはしないし、左手は遊んでいるし。
こんな状態だとどうにもならない。

「トップスピンをかけたい」という人は、まず日頃のストロークできちっとスピンが
かかってコントロールできているのかをチェックすべきだ。
これができていないのに、そこから良いトップスピンはマスターできない。


「それで、結局どう打つの?」
答えは。
上記の基本ができたら、次はいつもよりも少し下から上に向かって振りぬいてみる。
それでスピンの量が変化したことを掴んだらOK。段々、この下から上への角度を
調整していこう。
こうやって調整していくと、スピンはよりかかるようになる。しかし、反面押しの弱い
スピンになっていく。
そこで、パームアウトというテクニックになる。昔ならワイパースイングとも言われて
いた。
このへんのことは別途にする。このへんはマスターするのに時間を要するだろう。
もちろん個人差はあるが。








前衛はカニさんのように

ダブルスの前衛でポーチを決めたり、相手のポーチの備えたり。

コツはカニさんのように構え、前後左右、左右回転(相手に体を向けるという意味)
を両足の小刻みなジャンプで行うのだ。

これは前衛の場合、ボールが自分に来るスピードが速いため、自分の右に来ても左に
きても対応できるようにするには、両足に均等に体重をかけておいたほうが対応でき
るという考え方からである。
リターン時のスプリットステップと同じだ。
また、常に同じ構えで相手に対するので、相手が良く見え、おちつけるのだ。


単に各種ボールに備えるだけでなく、相手にフェイントをかけるのにも都合がよい。

以上の練習は意外にスクールでやらない。

カニさんのようにといったが、私はインベーダーゲームの宇宙人に似ていると思っている。

ちなみにラケットや頭の位置であるが。「これ」というのは私の中にもないが、ただ、
相手のボールにスピードがあるならば、頭とラケット面をネットの白タイのラインに
持ってくると比較的容易に対応できる。
よくあるのはラケット面をリラックスして下のほうにブラブラしていることだ。
これだと、面を上に持ってくるまでの時間をロスしてしまうい、面の準備が整わず、
概ねスピードボールに負けてアウトしてしまう。


レーシーブ側の場合には、逆に面は下のほうがいい。
何故なら、相手のポーチは足下を狙ってくるからである。
イメージとしてはバレーボールのレシーバーである。
残念ながら、レシーバー側の前衛が十分にレディの体勢ができている場合は少ない。
「ポーチされたら無理よ」という風潮がある。レディはけして難しいものではないのに。
上のクラスほど、こともなげにレシーブをするものである。



素振り

素振りはゆっくりやろう。
びゅんびゅん振っても飛んでくるボールを打つのと
わけがちがう。

自分に合った理のかなったスイングならいいのだが、
そうでないスイングをやったとしたらコート上で
落ち込むからだ。

次のようなプロセスでやるといい。
コートでラリーをする。
丁寧に打ち易いボールを返球してくれる相手だと、なおいい。
これをビデオで後ろから撮影する。
一番気持ちよくいい感じで打てた時、ビデオに向かって合図
をしておく。

後でパソコンやビデオデッキで再生する。
そして、合図の場面を見る。
それを素振りでゆっくり行う。

実は
コントロールされたスピードがあり押しのあるボールと
いうものはスイングスピードだけではけして成立しない。
如何に面がボールに対して垂直にあたっている距離が長いかが
重要だ。その距離を短時間にするか長時間にするかで
ボールのスピードが変わってくる。
それで。
素振りではどうしても、このボールとのコンタクト距離を
考慮することができない。

結論を改めて言うと。
素振りは全身のバランスのタイミングを調整するために
行う。
スイングスピードを上げようなんて思わないことだ。