間違いだらけのテニス指導 <初級(初心者)・中級から上級テニスを目指すために> -101ページ目

練習最初のラリー

強制することではないが。
皆が楽しくできればいいのだから。


練習最初のラリーは丁寧に
相手の調子を上げれるようなショット
を打つべきだ。
少なくとも返球の場所はコントロールし
てあげよう。

お互いに体を暖め、ベストなショットが
できるようにお互いに配慮することだ。

最初からバシバシ打ち、それが一定の
場所ならいいが、
あっちいったりこっちいったり。
これでは相手の準備が整わない。
コントロールできない人は
自分の駄目さ加減を反省し、丁寧に丁寧
にいくべきだ。

もちろんお互いに了解をとっていたり、
しばらく時間がたって
「ばんばんいこう」
ということであれば、この限りではない。



膝をまげろ? 指導の罠

全ての動作は連鎖である。
しかし、この連鎖を無視した指導が多い。
ワンポイントを指摘するのだ。
「肩があがっていない」
「ふりぬいていない」
などなど。

概ね、これを真に受けて修正しようとする。
その結果、そこだけ無理がかかり、それまで一連の
連鎖が崩れてしまうのだ。

体の回転で打つというのがある。
回転していない人はいろいろなところが回転していない。
そこへコーチから「もっと肩を入れて」なんてアドバイスが
ある。当人は一生懸命肩を入れるが、腰が入っていないので
体に非合理的な負荷がかかるのだ。

さて、
「膝をまげろ」というのがある。
右利きフォアなら右足、バックハンドなら左足のことだ。
こいつがくせ者だ。
正解は「腰をまわせ」なのだ。
腰を回すと、自然に膝がまがる。膝をまげないと腰が回らな
からだ。逆に膝を曲げても腰は回らない。
腰を回すとそれにつられ肩も回り、バックスイングも完了する。
膝もまがる。
それらを解放することで、負荷のない体の回転が生まれる。

「なになにできていない」
という部分部分の指導ができるコーチはいても、
それを修正するためのノウハウが欠けている。
スクールなどでは1対1の指導ではないので、そこまで手が
回らないという向きもあるとは思うが、
どうも「テニスのコーチング」というのは
日本の場合、工夫が足りないように思う。

ボールにエネルギーを適切に加えるための基本理論をコーチは
身につけるべきである。




手首のコック

これもかなり重要である。
最近私自身気がついたことだ。面目ないですが。
厚めのグリップでスピンを多用する方には参考になると思う。


それは手首の角度を固めておくことだ。

こういうふうに言うと手首に力が入ってしまうかもしれないが、
それはしないようにしよう。

バックスイングの時にはよく面を後ろに向けておけという。
このポジションで自然と二の腕と手首とラケットの関係が
決まる。
それをそのまま来たボールに持っていく。あてていく。

まず、これをする。これが基本であり、この感覚を
身につけたら好きなようにすればいい。

ボールに当たる時に一番安定した状況は
上記の状態なのだ。


さて、なんでこんなことを言うのか。

それは、ムチのようにラケットをしならせて打て
(グリップエンドからボールに向かっていけ)という
アドバイスを誤って解釈してしまうからだ。

どうだろう。
これをそのまますると、手首も使ってしまいがちになる。
手首をこねちゃうのだ。
するとミートの瞬間の感覚がつかめず、そして不安定に
なるのだ。

バックハンドでも同様なのだ。


スピンが好きだが、どうも不安定な人。要するに
思ったところに打てないひと。
こんな人は手首をこねている。
手首をリラックスしつつも、コックする。

さらに言うならば肘もへたにこねているだろう。

基本は肩から手首にかけて、棒のようにすること。
ただし、棒といっても肘も手首もバネをもって
それなりの角度をつけておく。

例えて言うならば腕は強力なスプリングだ。


マナー

スクールや日頃の練習で初対面の方と打ち合う。
終わった後は「あちがとうございます」など。

私はこれが普通のことだと思っている。

でも、意外に挨拶のない方が多い。

今更どうのこうのはこ煩いのだろうが。。。。。

お互いに気持ちよく楽しくプレーするにはどうするのかな。
試合の前後に挨拶をかわすでしょう。練習でも同じだと思う。

時々もの凄い人に出会うことがある。横柄なのだ。
こういう人に限って自分より上手な人と下手な人に対して
態度がころころ変わる。

テニスでわかる。日常のその人の様子が。

人のふりみて私も反省する。

本当に上手い人はマナーも素晴らしいものだ。







ダブルスの前衛はもっともっと考え動くこと

前衛のやり方ひとつで試合は変わる。

前後左右に動いてみたり、わざと動かなかったり、
サイドを大きく開けてみたり。

以上は相手にとって本当にいやなものだ。


前衛がいろいろ分析して後衛に指示を出すことも
必要だ。

あまりにも何も考えず、いつも同じところに立っている
人が多い。
サービスキープできなければサーバーが悪いと勘違いする。

前衛の動き次第(相手にかけるプレッシャー)によっては
こっちは一球も返球しなくてゲームをとることもあるのだ。

<例1>
サービスは遅いがコントロールはいい。
常にセンターに入れることができる。
前衛はおもいっきりセンターに陣取る。
相手はサイドを抜こうとする。
前半戦では意外にロブには頭がいかないものだ。
それで相手はリターンミスを4つ続けてくれる。
最初の1ゲームをこうして落とした相手は
自信を喪失する。
前衛がいつもどおりにサイドを抜かれないように
しているとこのような展開にはならないだろう。

<例2>
ロブが苦手な相手なら、前におもいっきり詰めれば
いい。ボレーも楽になる。
また、相手からみると近寄ってくるので
プレッシャーがかかるのだ。大きく見えるので。



ともかく長く厚く

ともかく長く厚くラケットをボールにあてること。

そのために必要な基本動作は次だ。


(1)面を打ちたい方向に押し込む

(2)(1)をやろうとすると体がつんのめったりする。すると頭も上下前後し、打点が不安定になる。
なので、腰から頭を垂直にしながら、面を押し込む。そのためには足と体の回転と手の伸ばし
でやることになる。

(3)(2)のためにはタイミングのよいバックスイングが必要になってくる。早くレディするにこした
ことはないが、早くレディしたところで動きが止まると、次の動作がぎこちなくなる。
早くレディするところで力も入ってします。
こつはこうだ。
ボールをミートする時、”パチン”と最も面が速く長くあたればよい。それまでは面は静止することは
ないが、ゆっくり動く。ゆっくり動き始め、だんだん加速し、あたるときにパチンだ。

(4)フォロースイングはもちろん大切だ。ただし、フォロースルーをしっかりしよう振りぬこうと力んで
は何にもならない。実はボールを長く厚くとらえようとし、実際にそうなれば、おのずとフォロースイング
は上手くいくのだ。

(5)理想は自分の軸から見て、全て同じ高さ前後の打点で打つこと。
このためには足を使わなければならない。
そして実際にこれができれば全てのショットは安定する。
しかし、実際問題、低いところや高いところでとらなければならないこともある。ここが応用になる。
あくまで、応用である。だから、基本をないがしろにして応用に走ってはならない。




テニス雑誌の罠

テニスの月刊誌。面白い。

しかし、やはりあらためて見ると、いい加減なことに気づく。

わかりきったことかもしれないが、スター選手で売ろうとしている。

なぜ、それが悪いのか?

例えば、速いストロークとかサービスを誰もが打ちたい。
それでスターの分解写真を題材にして、日本の選手が解説する。
これが非常に良くない。
ロディックのサービスが速いのでそれをまねる解説を部分部分を
取り出し解説しているのである。
全てロディックと同じにするならまだいいが、部分部分を真似ても
上手くいくわけがないのである。
それどころか、かえって悪くなってしまう。
それまで自分で持っていた良いタイミングを失ってしまうのだ。

あくまで参考にするだけにしよう。あくまでヒントにしよう。
解説どおりにやってうまくなるとは到底思えない。

大切なことは基本なのである。
基本は何か?

ボールをミートした瞬間、自分のイメージどおりにミートされているかどうかだ。
打ちたい方向に打ちたい球種(回転)とスピードでミートされているかどうかだ。
あたりまえのことだが、これを忘れてはならない。これに向かってもろもろの
ことをしているのだ。
いくらスピードがあっても自分のイメージしたものでなければ「使えない」
のである。

では、このイメージを具現化する、次の基本はなにか。
それはボールを長く押すことである。
たとえばぐりぐりのトップスピンでもスライスでもである。
長く押すことで方向性がでる。自分のイメージをボールに
伝えれる。
長く押しながらもラケットのボールに対する角度をかえることで
スピンをあやつる。それとスイングのスピードで。


ラケットの面は言う。
「私をボールに長く接触させて。そうすればなんでもできるわよ」って。

あなたがラケットを操るのではなく、
ラケットに操られる感覚だ。



スプリットステップ

騙されたと思ってやってみてほしい。

リターンがかわる。

リターンが簡単になる。

リターンが面白くなる。


理由は、スプリットステップで

体が自然と前に行くから。

ボールを高い位置からミートでき、

サーブの力に負けない。

極端なはなし、ラケットを振らなくても

体の前進だけでボールを返せる。

また、その後のスムーズな動きに

繋がる。


普通のストロークにたとえれば

バックスイングのようなものだ。

動きのためのきっかけというやつ。




具体的には

サーバーがボールをラケットにあてる

瞬間に両足で着地するようジャンプする

のである。大げさと思うくらいが丁度いいだろう。


「こんなことして、体制がかえって悪くなるのでは?」

と思う方も多いだろう。

しかし、やってみて!

この技術は基本ちゅうの基本なのだが、

あまり熱心に解説されていない。


魔法にかかったようにリターンが良くなる。



片足素振り

プレースタイルにもよるが。

体の回転を活かしたストロークを目指すならば、
素振りを軸足片足で行う事をすすめる。
これは私のオリジナルな考えなので、誰にも該当するとは言い切れない。

フォア(右きき)ならば右足で、バックならば左足でスイングする。

これにより、体の回転(足、腰、背中、腕、ラケット)が身に付く。何故ならば、無駄な動きをすると
素振りができないからだ。

本番において軸足1本は無理な話。軸足でないほうの足は回転のバランスをとる
ためのものとなる。腕でいえばラケットを持っていないほうの腕だ。

軸足と気持ち

ボレーでもストロークでもリターンでも。
軸足の出しが球に威力を付ける。

右利きであれば、フォア側は右足、バックは左足のことだ。

この軸足は「気持ち」の反映でもある。
「気持ち」が押されている(マイナス)と軸足が出ないのだ。

軸足を出して打ちにいくと、軸足の反対側の足の踏み込みが
その次に出てくる。この踏み込みが最後の押しと方向性を生み出す。
このへんが「タメ」である。
「タメ」がないとピンポイントになりボールとラケットのタイミングが
より制限されてしまう。